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放地 宏佳 放地 宏佳
INTERVIEW

オートモーティブ事業本部
基幹システム開発部

放地 宏佳
Hiroyoshi Houchi

「交通」というリアルを舞台に、未知の進化を求める楽しさ
基幹システム開発部のエンジニアが実感した「この事業に夢がある理由」

2015年から参入しているオートモーティブ事業では、多数のエンジニアが活躍しています。メンバーには、DeNAのメイン領域であるゲームやWEBから転身した人もおり、基幹システム開発部の放地 宏佳(ほうち・ひろよし)さんもその一人。新卒社員として2013年に入社すると、オープンプラットフォーム事業本部でゲームのAPI開発に携わってきましたが、2017年4月より現業務に就いています。

オートモーティブ事業に携わる中で、放地さんは「この事業には、本当に夢があると思っています」と語ります。その言葉の裏には、エンジニアとして、リアルの世界がベースだからこそ「制限の中で考える楽しさ」と、リアルだからこそ「制限のない楽しさ」があるとのこと。若きエンジニアが感じる、この事業の魅力に迫ります。

H.H

アライアンスありきの事業に求められる、橋渡し役の存在

ーー放地さんは現在どのような仕事をしているのでしょうか。

オートモーティブ事業の中で、「日産プロジェクト(現EasyRide)」がメインの業務です。DeNAでは、2017年1月に日産自動車さんと提携し、新たな交通サービスのプラットフォームを作っていくこととなりました。その中で、今さまざまな開発を行っており、それらの全体的なアーキテクトを組んでいくのが主な仕事です。

具体的には、現状で作られているシステムをプログラムに落としたり、それを実運用する際のスケーラビリティを考えた時に、今の設計や環境で問題がないかを判断したりします。加えて、システムのインフラ構成や、サーバなどの最適化を考えますね。

ーーディレクターのような立場といえるんでしょうか?

そうですね。ディレクターという言葉が正しいかは分かりませんが、そういったイメージに近いです。もちろんコードも書きますが、それよりはいろいろなところを見る「何でも屋」に近いかもしれません。

特に業務で重要になっているのは、他メーカーとDeNAの開発の橋渡し役になることです。DeNAは自社で車を開発しているわけではありませんから、オートモーティブ事業はすべてアライアンスとの協働案件になります。他の会社の方とやり取りをする必要があって、その部分が非常に重要なんですね。

ーー日産プロジェクトにおいては、日産自動車さんとのやりとりになってきますよね。

はい。こちらで開発したシステムと、日産自動車さんの車両やシステムとをつなげる部分について、ビジネスの方と「どれができてどれができないか」「どのくらい時間がかかるか」といった点などを調整します。さらに、最終的な仕様を決めたり、出来上がった後のテスト形式も考えたりします。窓口のような役割とも言えますね。

ーー先ほど「何でも屋」といいましたが、広い領域の進捗や設計を見ながら、橋渡し役としてアライアンスと調整するのは大変ではないですか?

もともと自分は色々やりたいタイプですし、DeNAの企業文化としても、細かな報告を求めずこちらに裁量を渡してくれるので、全体を見るのは楽しいんです。きちんと説明のつくチャレンジなら失敗も勉強と捉えてもらえますし。そもそもオートモーティブ事業は、アライアンスありきなので、橋渡しをする人がいないとプロダクトは進みません。でも意外とそういったエンジニアは少なく、何でも屋になることはむしろバリューだと感じています。

私自身、オートモーティブ事業部に移る前は、オープンプラットフォーム事業部で外部の会社が使うAPIの実装をしていました。ゲーム関係が多く、任天堂さんの案件などにも関わりましたね。

その頃も、コードを書くより「何をしないといけないか」の定義を決めたり、「この規模ならこのプログラムで大丈夫」と設計したり、さらにはスケジュールの調整をしたり。今のような役割をしていたんです。ですから、前の部署と比べて大きな違和感はないですね。

H.H

ゲームやWEBのエンジニアが、この業界では強みになる

ーーゲームやWEBから交通インフラへと大きく業界が変わったわけですが、仕事自体は共通していることがたくさんあるのでしょうか。

それはあると思います。たとえば、今のゲームはかなりの人がプレイしていて、どれだけのスケーラビリティに耐える設計をできるかが開発の肝です。これはゲーム業界すべてに言えますが、実はオートモーティブでもこの部分が重要で、自動運転にしろ渋滞予測にしろ、絶えず送られてくる情報をどれだけさばき切れるか、それをシステム連携してきちんと使えるかというスケーラビリティが求められます。

しかも、そのデータは“交通”というリアルの世界で活用されるので、障害が起きたりデータが止まったりすれば、大きな損失や事故を伴います。そう考えると、DeNAがゲームで培ってきたスケーラビリティの設計はむしろ強みですよね。

もうひとつ、ゲームの世界ではすごく行動分析が進んでいて、どれだけ長く遊んでもらうかを緻密に工夫しています。UXに力を入れるのも同じ意味で、使用感の低下はそのまま離脱率に直結します。そういった視点はこの分野にも必須で、フロントエンドのエンジニアにおいては、ゲームやWEBで培ったUXや使用感のノウハウをそのまま使えますし、有効な知見になると思いますね。

ーー逆に、ゲームやWEBとの違いは、どんなところに感じていますか?

やはりリアルが舞台になることですよね。それは大きな違いであり、一番面白い点でもあると思っています。先ほども言いましたが、ゲームやWEBは仮想世界で発信し、仮想世界で完結することも多い。ゲーム内でアイテムをもらう、ゲーム内でコミュニケーションをするなどがその例ですよね。

でもオートモーティブ事業は、実際に車を走らせたり、それに対してのシステムを組んだりするわけです。たとえば複数台の車を効率よく動かして物流サービスを改善させるとしても、台数を自由に増減させることは不可能ですし、移動時間や速度の設定にも当然ながら限界があります。いわば制限があるんですよね。その制限があるからこそ、どう工夫して最適化するかがすごく面白いです。

WEBやゲームの時とは違った制限の中で戦う必要があるんですよね。ですから、その分野でやりきった人や、違うエッセンスが欲しい人にはやりがいがあると思います。全然考える視点が違うんですよ。

ーーリアルならではの「制限」が面白いと。

そうですね。ただ反対に「リアルだから制限がない」という楽しさも実感しています。混乱させてしまうかもしれませんが(笑)。

確かに、車や交通を扱う場合、先ほど言ったような制限はありますが、対してWEBやゲームの仮想世界は、舞台そのものがネットワーク内やアプリ内、デバイス内と制限されます。リアルにはその制限がなくて、拡張する可能性は無限だと思うんです。つまり、リアルで考えられるものはチャレンジできるということ。車を操作するという制限はありますが、もっと大局で見れば、実は制限がないと感じます。

しかも、人間の移動は絶対に必要なものですよね。どこかへ行くという根幹の欲求につながっていて、それを満たすことが僕らの仕事。解決法はコンテンツでも移動の手段でもいいのですが、それらを考える際に舞台の制限がないのは、これ以上ないことです。

H.H

まだ輪郭がない分野。新たな手法を確立する意義

ーー放地さんから見て、どんなエンジニアがオートモーティブで活躍できると思いますか?

僕もゲームの開発から来たように、あまり専門的な知識やこれまでのキャリア、経験に縛られない分野だと思います。それよりも、自分から発信することや、何かのプロジェクトが立ち上がった時に「やりたい」と手を挙げられる方が大切ではないでしょうか。

これはDeNAが持っているエンジニア文化だと思うのですが、やりたいことをやりたいと言うのが何よりも大切かもしれません。自分もそうやって色々な事業に関わって来ましたし、そういった積極性は、オートモーティブ事業でこそ特に大切かもしれません。

ーーそれを感じるのは、どんなところですか?

オートモーティブ事業って、本当に夢があるんです。WEBやスマホ、あるいは車も、単体で見ればある程度は進化の輪郭がはっきりして来ていますよね。でも、車とインターネットがつながったとき、その先に何があるのかは想像がつきません。そして、まだそれを確立しているところもありません。確実な手法がない中でアーキテクトを考えていく分野です。

そういった未開拓の分野において、土壌作りをゼロから始めたり、自分のやりたいことや可能性のあることを探したりする。それこそが最大の魅力であり、絶対的に必要になるのは積極性だと思うんです。

ーーなるほど、確かに未来の想像がつかない領域ですものね。

実証実験をするにも、最初は小規模で行いますが、本当に私たちが考えているのは、目の前の数台ではありません。何年後の日本にはどのくらいの車があって、それに対するシステムがどうあるべきかです。

将来の交通インフラや日本全体、世界全体の状況を見据えた上で実験や開発をしていくので、その視点を持って仕事ができるのは本当に貴重です。しかも「インターネット×車」という、今までにない組み合わせがすべてのベースにあるんです。その“生みの楽しみ”こそが、この事業に携わる大きなやりがいではないでしょうか。

取材日:2017年9月13日