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オートモーティブ×ヘルスケアTechNightレポート 〜社会課題に向き合うエンジニアが語った、開発の裏エピソード〜

3月6日、DeNAのオートモーティブ事業本部とヘルスケア事業本部が主催となり、サービス開発の裏側などを語る「オートモーティブ×ヘルスケアTechNight」が開催されました。

テクノロジーのちからで社会課題の解決に貢献する2つの事業本部のエンジニア社員が赤裸々に開発時のエピソードを打ち明けました。

以下では、オートモーティブ事業本部のセッションについてレポートします。

開発メンバーも同乗して、フィールドテストの課題をクリア

オートモーティブ事業本部のセッションで登壇したのは、米山輝一氏と三輪智也氏。DeNAの次世代タクシー配車アプリ「MOV」に携わるエンジニアの2人が、セッションのテーマであるMOVを支える車載ハードウェアとソフトウェアの(裏)話を語りました。

2人は“おしながき”として6つのトークテーマを用意。その中で、来場者の希望が多かった2つのテーマについて話すスタイルで進行していきました。

最初に選ばれたのは、「事件は現場で起きていた! 貸切タクシーで繰り返したテストの裏話」。昨年12月に東京都内でサービスを開始したMOVは、開始前にフィールドテストを繰り返し行いました。その期間で浮き彫りになったいくつかの課題について、どう対処していったかを克明に説明しました。

このテーマを担当した三輪氏は、「フィールドテストの際、利用者側のアプリに表示されるタクシーの挙動が滑らかになるよう、クオリティを高めていきました」と振り返りました。具体的に行ったのが、マップマッチングの最適化です。

「マップマッチングとは、GPSなどで取得した位置情報と道路情報を組み合わせ、位置情報を道路上に補正するものです。MOVでは、タクシーに搭載したスマホから位置情報を取得しています。この位置情報は主にGPSから取得しているのですが、高層ビルが多い場所や高架下、地下ではその位置情報が実際の位置からズレてしまうことがあります。それにより、利用者側のアプリに表示される走行中のタクシーの動きが実際の動きとズレてしまいます。これを補正するのがマップマッチングです。

フィールドテストを重ねると、走行するタクシーの様子をアプリで表示する際、車両の軌跡が飛び飛びになるなど、挙動が不自然になることがありました。原因を調べた結果、マップマッチングの形式を変えたことが問題だとわかったのです。」

東京都内でサービスを開始すると、扱う車両が膨大になり、アプリへのリクエストも跳ね上がります。それに付随してコストも大幅に増加することから、マップマッチングを内製ライブラリのものに切り替えたとのこと。しかし、それによって挙動が不自然になったようです。

フィールドテストはタクシーを貸し切って行っていましたが、そこに開発メンバーも同乗し、リアルタイムでログを取りながら改善を重ねたようです。「最終的には、内製ライブラリで補正がうまくいかないパターンログを収集して解析し、従来の方式同等の精度に改善することができました」と話しました。

MOVで使う“公式スマホ”は、どのように選ばれたのか

次に選ばれたトークテーマは「酷暑に負けるな! スマートフォン選定の裏話」。先述したように、MOVはタクシーに搭載したスマートフォンで位置情報などの配車に必要なデータを送信しており、そのスマートフォンには、市販機種が使われています。では、どのようにして機種を選んだのでしょうか。その選定過程について、米山氏が説明していきました。

「選定のプロセスとして、まずは価格と基本スペックにボーダーを設けて市販機種から対象モデルを絞りました。OSやCPU、メモリなどのスペックはもちろん、最低限必要なセンサー類、大量発注の可能なものなどを選びました」

その上で、具体的な機能測定と検証を実施。たとえば、温度によって動作に影響が出ないか、温度特性測定を行って確認しました。この際、米山氏はオリジナルのスマート温度計とアプリを一から作り、温度を測定。動作環境をチェックしたようです。

「次に、GPS精度の検証もしました。GPSのログを取れるアプリをスマホに搭載し、車両に載せた状態で走行。その結果を分析して、GPSの精度を分析しました。走行エリアとして選んだのは、横浜、横須賀、箱根の3ヶ所。横須賀や箱根は電波の弱くなる地点があるので、あえてそういった場所を走り、精度とともにLTEの電波測定も行いました。」

そのほか、どこまで温度が上がったらスマホが壊れるのか、また壊れるときはどのような状況が起きるのかを知るため、「限界試験」も実施。外部試験機関に委託し、上記のような点をチェックしていったとのことです。

性能やコストなど、さまざまな要素を検証した上で今のモデルが選ばれたことを説明して、オートモーティブ事業本部のセッションは終了しました。

その後は、ヘルスケア事業本部のセッションが行われ、終了後は懇親会へ。登壇者以外にも多数のDeNAエンジニアが出席し、開発の話からチーム体制、働き方まで、来場者の方と話し合う姿が見られました。

今後も、DeNA Automotive MEETUP イベントの企画を実施していきますので、ぜひ楽しみにしていてください。