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DeNAエンジニアがアメリカのAWS社へ。 2日間の話し合いで再確認した「これから進む先」

オートモーティブ事業本部では、さまざまな技術やサービスを活用しながら各プロジェクトを進めています。近年発展するクラウドコンピューティングサービスも使っており、アマゾンウェブ サービス(AWS)はその代表と言えます。DeNAは様々な事業においてAWSを活用しており、オートモーティブ事業本部でもAWSのさらなる理解は不可欠になっております。

今回、AWSから招待を受けて、オートモーティブ事業本部のエンジニアたちがアメリカのAWS社を訪れました。そこでは、2日間にわたりさまざまなディスカッションがなされたようです。

果たしてその内容はどんなものだったのでしょうか。さらに、現地でどんな成果や発見が得られたのか。参加メンバーの1人である、基幹システム開発部のT.Oさんに聞きました。

 

AWS社に行った目的とは?

ーーはじめに、T.Oさんのキャリアを簡単に教えてください。

私は、2017年6月にこの事業本部へやってきました。もともとは日本の鉄道会社にエンジニアとして勤めており、車両から取れるメンテナンスデータを予防保全に活かしたり、位置検知システムをつくったりということをしていました。

その後、アメリカの大学で機械学習やデータサイエンスの研究をしました。夏休み期間はシリコンバレーの交通系スタートアップに2ヶ月間インターンも経験しました。大学院卒業後、DeNAに声をかけてもらいジョインした形です。

ーーオートモーティブ事業本部では、どんな領域に関わっているのですか?

僕が携わっているのはフリートマネジメントシステム(FMS)の部分です。FMSはカーナビなどにも使われている機能で、大きく分けると、移動ルートのスケジュールを決めるものと、地図の特性からロジックを作って経路や移動時間を予測するものがあります。私が今やっているのは後者で、主に地図の経路探索と移動時間予測のシステムを開発しています。

具体的なプロジェクトとしては、『ロボネコヤマト』や『タクベル』などに関わっています。FMSの開発を行い、さまざまな交通サービスに活かしていくのが役目です。

ーーそして今回のAWSイベントとなるわけですが、どんな主旨だったのでしょうか。

アメリカのAWS社では、「EBC」という名前で、各国のさまざまな企業を招いてディスカッションを行っています。AWS社はユーザー企業のフィードバックをとても大切にしており、各国のさまざまなジャンルのユーザー企業を呼んで、どんなプロジェクトにAWSを使用しているか、どんな課題を持っているか、どんな機能を追加して欲しいか、といったことを率直にディスカッションしています。

その取り組みとして、今回DeNAのオートモーティブ事業本部が招待されました。こちらはエンジニア4人で訪問し、まるまる2日間にわたって議論をしましたね。

 

ーーDeNAが選ばれた理由は何でしょうか。

私が理解している部分だと、まずAWS社としていろいろな事業領域のユースケースを集めたいという前提があったと思います。なかでもオートモーティブ分野は過渡期なので、DeNAのように実際のプロジェクトに落とし込んでいる企業からフィードバックを受けたり、あるいはそれをAWSの導入事例として対外的に発信したりする点で、価値を感じたのではないでしょうか。オートモーティブだけでなく、IoT領域におけるAWSの使い方としても話を聞きたかったのかもしれません。

印象的だったAWS社の姿勢。彼らが大切にするフィードバック

ーー今回、メンバーの1人として参加されたわけですよね。

そうですね。ただ、AWS社に行くということで自分に声がかかった時、実はそこまできちんと目的を把握していませんでした(笑)。最初は「アメリカまで行くのはお金も時間もかかるし、それでも行くなんてすごいな…」と思ったほど。いったい何をするんだろうという気持ちでした。

ーーそうだったんですか(笑)

それでも、しばらく考えてやはり行ってみたいと思ったんですね。というのは、クラウドサービスはこれから重要になるのが確実ですし、伸ばしていきたいと思っていた分野です。また、個人的に最近のテクノロジーにあまり触れられていない感覚もありました。そのキャッチアップという意味で必要だと感じたんです。それで行くことにしました。

ーー実際、AWS社とはどのようなディスカッションをされたんですか?

まず、事前にDeNAのオートモーティブがどんなことをやっているかというプロジェクトの紹介や、それに対してどんなウェブサービス、システムを使っているかをAWS側に伝えておきました。

その上でディスカッションになるのですが、現場でのテーマはかなり絞られていて、今回はAIや機械学習、IoTに関連するAWSのサービスについて話し合いました。クローズドイベントなので内容は細かく言えないのですが、当日は時間ごとにセクションが設けられ、各セクションで担当者からサービスの紹介や今後の展望、それに対して詳しく聞きたい部分や今の課題に対する議論をしました。

ーーもし言える範囲で、ディスカッションの様子を教えていただければ…

そうですね。たとえばAIにはいろんなフレームワークがあり、AWSがどのフレームワークをサポートするかは重要な問題です。その中で、日本には世界的な標準とはまた別のフレームワークがあります。こういったものについて、AWSに「このフレームワークをサポートしてほしい」と、私たちエンジニアから要望を出しました。

あるいは、ほかのクラウドサービスを念頭に置きながら、他サービスでできているけれどAWSでカバーできていないものについて、率直にその理由を尋ねたり。または、AWS IoTというサービスについて、もう少し別の使い方ができないかを聞いたり。そういった形で、本当にフラットな議論をしました。

ーーかなり現実的というか、建設的なディスカッションだったということですよね。

はい。私自身、AWS社の熱心なヒアリング姿勢には驚きました。先ほど言ったように、確かにAWS社とDeNAは以前からつながりがありましたが、決してDeNAはアメリカでビジネスをしている企業ではありませんし、向こうでは知名度も高くありません。

また、こちらは通訳をつけてもらっていたので、「英語もしゃべれない」と思われているのではないかと、始まる前は正直少し不安でした。

ですが、AWS社の方たちは本当に真剣に話を聞いてくれて、文字どおり対等な話し合いになったので、すごく充実しましたね。彼らがユーザー企業のフィードバックを大切にしていることがわかりましたし、その基本姿勢は印象的でした。

ーーDeNAとしても意味のあるイベントになりましたね。

通常、こういったカンファレンスやイベントは、主催側の情報をインプットすることがメインになります。今回で言えば、AWSのサービスについて紹介を受けるなど。ですが、実際はDeNA オートモーティブからのアウトプットも細かくできたので、それは非常に価値があったと思いますね。

限られたリソースで大きなサービスにチャレンジする魅力

ーー今回のイベントもそうですが、やはり今後のオートモーティブ事業にとって、AWSのようなクラウドサービスは重要になるのでしょうか。

クラウドの活用は、間違いなく不可欠です。例えば「タクベル」はタクシーのサービスなので、台数が非常に多いですよね。ですから、IoTによって車両から送られてくるデータや位置情報といったプローブ情報は大量になります。そのビッグデータを高速にフィードバックして、移動時間予測などの機械学習モデルを作るとなると、アーキテクチャやワークフローを綿密に考えないと動きませんし、スケールしません。

加えて、DeNAは限られた工数やリソース、人材で質の高いサービスの実現を目指しているので、AWSのようなクラウドサービスのプラットフォームを上手に活用することが不可欠だと言えます。個人的にもそういうところにチャレンジしたくてDeNAに来たので、クラウドサービスは重要ですね。

ーー「そういうところにチャレンジしたい」という部分を、もう少し詳しく聞かせてください。

自分自身、すごく大きいチームで働きたいとは考えていなくて、中規模までの組織で大きなサービスを運営したいんです。大規模な組織の場合、エンジニアの担当領域が細分化されていることが多く、意思決定が遅くなってしまうことが理由の一つです。

もちろん、人材をたくさん投入すれば大量データをさばいてシステムを運営できるかもしれません。でも、社会の変化やニーズを汲み取り、アプリケーションに高速でフィードバックするのが難しくなります。中規模のチームで、社会に関わる大きなサービスにチャレンジできる今の環境は、大きな魅力なんですよね。

ーーなるほど。T.Oさんやオートモーティブ事業本部の進みたい方向を考えても、クラウドサービスの活用は欠かせないわけですね。

だと思います。しかもクラウドサービスによって、フルマネージドでサーバーレスな開発環境ができつつあります。敷居が下がっているので、サービスやアーキテクチャをある程度勉強すれば、実現不可能ではありません。やる気のある人がチャレンジできる時代です。

この事業本部自体も、自分でやりたい人がトライできる組織です。特に機械学習やアルゴリズムは、これまで研究の色合いが強かったですが、ここでは実世界に影響を与えるサービスとして組み込むことができますし、なおかつすごく早いサイクルで行えます。自分の意思でつくれるところに面白さがあるんですよね。逆に言えば、そんな環境を求めるエンジニアにマッチしていると感じています。

そういったこの事業本部の空気と、オートモーティブという領域の今後を考えた時に、クラウドサービスは重要ではないでしょうか。それも考えると、今回のAWSイベントは非常に意義のあるものだったと思います。